のの日和♪

のんびり ゆるっと 朗らかに 〜気ままなおしゃべり日記〜

あちらにいる鬼

瀬戸内寂聴が 出家した理由。

映画を観てきました。

 

瀬戸内寂聴井上光晴、そしてその妻ーーー。

実在した人物をモデルに、男女3人の特別な関係を

井上夫妻の長女である作家・井上荒野

綴った小説の映画化。

(公式ポスターより抜粋)

 

『あちらにいる鬼』


www.youtube.com

 

この映画・・・
ものすご〜く厭な言い方をすると、

"佐々木希さんが第二子を授かりました ってニュースに

「はぁっ?(๑•ૅㅁ•๑)」と思った人" には

共感できない世界です。

 

★    ★     ★

 

昨年99歳で他界された瀬戸内寂聴さんは

『夏の終り』『現代語訳 源氏物語』などを著した

人気女流作家でした。

テレビなどでお見かけした生前の寂聴さんは、

"福々したお顔の尼さん"

なのに、

割と過激な発言をなさるし

代表作も"ポルノ小説"と評されるし。。

その立場や見た目、年齢とのギャップに

疑問と好奇心を抱いていたのは

私だけじゃなかったと思います。

 

ところが、本作を鑑賞したら

そんなギャップの疑問が腑に落ち、

また 私の好奇心の想像の斜め上を行く

"ホントにあったお話"に 仰天しました。

 

 

自分の心を偽らず恋愛に生き

それを作品に昇華させてきた彼女が、

同業者で妻子ある男との不倫の恋に

決別するため選んだ道が

出家だったのです。

 

そんな寂聴さんに出家を決意させた男

〜映画では 女癖が悪く嘘つきで

どうしようもない男として描かれていた井上光晴氏!

多分、実際の人物像も似たり寄ったり?

私は 彼が かの光源氏に重なって見えました。

そして、

光晴氏の周りの女たち

〜寂聴さんや妻や愛人たち〜が、

源氏物語に登場する女たち

〜例えば、紫の上や六条御息所や朧月夜や末摘花など〜を

ミックスしてまとめてまたちぎって

個人個人に振り分けた〜みたいに感じちゃいました。

 

寂聴さんと妻と光晴氏の

モヤッとザワッとする関係は、

現代日本

一夫一婦制の倫理観で育ってきた私たちにとっては

理解しがたいカタチです。

でも、大奥や後宮のあった時代や

一夫多妻あるいは一妻多夫の制度下だったら、

あながち "ない関係" とは言えないかも?

少なくとも『源氏物語』では

光源氏絶好調時代、

彼は六条院と呼ばれる大きな屋敷を築き

春夏秋冬を配した町にそれぞれ

自分の夫人や子女たちを住まわせ、

みんな ほのぼの暮らしてました。

 

光源氏やその夫人たちとの関係、

寂聴さんたちの関係、

それらには通じるものがある、と

私には思えたのですが。

 

 

出家したのちの瀬戸内寂聴さんが

ライフワークとして『源氏物語』に

注力していたのは、

もしかして・・・・???

な〜んて、

それは深読みかなぁ?