のの日和♪

のんびり ゆるっと 朗らかに 〜気ままなおしゃべり日記〜

母性

女性は子どもを産めば

必ずしも母性が芽生えるわけではないのです。

 (原作者:湊かなえさんのコメントより)

映画を観てきました。

 

永遠に愛され庇護される立場(娘)でありたい母親と、

その母親から愛されたい娘の物語。

毒親でもなく、虐待でもなく、

だけど大切なものが欠けた関係。

母と娘、二人の語り手による「真実」は、

果たして…?

(一部、公式HPより抜粋)

 

『母性』

 


www.youtube.com

 

原作者の湊かなえさん、と言えば〜

『告白』で イヤミス(読後感がイヤな気持ちになるミステリー)

というジャンルを世に知らしめた小説家です。

つまりは、

悪趣味系 nono の大好物なジャンルで〜ψ(`∇´)ψ

ええ。もちろん、

こちら『母性』の原作も既に読了していました。

小説を読んでた時もぞわぞわしたけれど、

映画もまたぞわぞわでした( ̄w ̄;

 

という訳で、今回は

ネタバレごめん& 物申す❗️

記事になりますので、

ネタバレ見たくないよ〜という方は、ご注意を⚠️

 

 

 

 

まず、予告編に物申す!

 一つの事件。

 母と娘、二人の語り手。

 物語は【あなたの証言】で完成する。

ってコピー、

事故か?自殺か?他殺か?的な事件の真相を暴くのが

いかにも本筋、のように煽ってますが‥‥

確かに、

小説の時は "信用ならない語り手" 手法で

そういう側面も味わえたけど、

映画では、最初から "映像で見えてる"のです。

だから、

そういうミステリーを期待していたら

ぽかんとしちゃうよ?

 

 

そして、ハッピーエンド説に物申す!

本作は、

母娘の関係にじりじりざわざわする物語ですが

ラストはどちらかと言うとハッピーエンド

と、捉える感想が多いようです。

(おもにネットでの反応)

 

しか〜し!

私は、そう思いませんでした。

 

あえて言うなら、

物語の始まり】あるいは【リピート

 

この、母娘3世代に渡る物語は、

戸田恵梨香さん演じる母と

永野芽郁さん演じる娘の〈真実〉を交互に見せ

最後は〈2人の真実〉が混沌と語られる中で、

母と娘の主観によって見える情景の違いと

それぞれの心情が発露されていました。

ところが、

母の母〜娘にとっては祖母ー大地真央さん演じる

無償の愛を注ぐ女性の心情については

描かれていないのです。

実は、

私が一番ぞわっとした人物って

小説でも映画でも、何を隠そう、この御方。

まさに"聖母"と呼べそうな

慈愛に満ち優しく賢く慎ましく前向きで美しい女性。

子育てに一切ネガティブな言動がなく

どんな時でも子を肯定し励ます、

そう、

育児書や教育書に載ってる

"理想の母親像"を具現化したみたい。

いわば "母性"の最上級。

でも、それは娘や孫から見た客観的な姿。

母の母(祖母)の〈真実〉パートは

小説にも映画にも存在していないのです。

ちなみに、影のうっすい父親ですら

心情を吐露する場面があったのに、

母の母(祖母)の主観や心情が全く描かれてないトコに

逆に 作者の意図的なものを感じちゃう。

 

はっ

もしかして‥‥

"母の母(祖母)"は、

"娘"みたいな生い立ちだったんじゃ??

 

ラストで、娘は女の子を身籠ります。

ーわたしは子どもに、わたしが母に望んでいたことをしてやりたい。愛して、愛して、愛して、わたしのすべてを捧げるつもりだ。ー (原作より)

これ‥‥‥

実現したら、

まさしく"母の母(祖母)"と同じですよね。

え、

つまり、

"娘"から"母のような娘"が産まれて育って‥‥

そして、また ∞ ∞ ∞

と、思ったら

このラストがハッピーエンドとは思えませんでした。

 

 

・・・と、

核心に迫るネタバレ全開記事になってしまいましたが💦

《見ると聞くとは大違い》と申しますので、

お許しくださいませ。